≪ニュース≫

2019/4/20
パートタイム労働者の年次有給休暇について
平成31年4月から、働き方改革として、年10日以上有給休暇が付与される労働者については、正社員、パートタイマー問わず5日間有休を取得させる事が義務付けられました。
パートタイマーでもフルタイム勤務の方については、入社半年後に10日間の有給休暇が付与されるため、その日から1年間の間に5日間の取得をさせる必要があります。

それでは、勤務日数の少ないパートタイマーの方はどうでしょうか。下の図表の30時間未満のところをご参照ください
勤続年数が長いパートタイマーの方も有給休暇5日取得の対象になりますので、週4日勤務の方だと3年6ヶ月以上、週3日勤務の方だと5年6ヶ月以上勤務されてる方はそれぞれ対象となります。




図表ご参照のうえ、パートタイムで取得対象の方には、有給休暇の取得を促すよう、気をつけましょう。



2019/4/13
労働基準法

今回は労働時間制度について確認していきます。

労働時間制度の概要

1 原則

 現在、常時10人未満の労働者を使用する商業等特例事業場を除き、週40時間労働制が全面的に適用されています。

2 変形労働時間制

 しかしながら、現実には業務の繁閑等があるため労働時間を1年間の全ての日で8時間以内、全ての週で40時間以内に出来ない場合もあると思います。

 このような場合に対応するため、労働基準法は業務の繁閑等に応じて労働時間が特定の日に8時間を超えても、また、特定の週に40時間を超えても、祝日、ゴールデンウィーク、盆休み、年末年始休等により他の日や週の労働時間が短いために一定の期間を平均して1週間40間以内になる事を条件に、変形労働時間制の採用を認めています。

3 変形労働時間制の種類

 変形労働時間制には、

 ①1箇月以内の一定の期間を平均する1箇月単位の変形労働時間制(第32条の2

 1箇月以内の一定の期間を平均し、140時間以内になるよう総労働時間を定め、労働者
  その範囲で確実の始業、終業の時刻を選択するフレックスタイム制(第32条の3

 1年以内の一定の期間を平均する1年単位の変形労働時間制(第32条の4

 ④規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、労使協定により、140時間
  以内の範囲内で1週間単位で110時間を限度に毎日の労働時間を弾力的に定めることの
  できる1週間単位の非定型的変形労働時間制(第32条の5

 があります。

労働時間の原則(第32条)

1 原則と例外

 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間1日について8時間を超えて労働させることができません。(第32条)

 なお、常時10人未満の労働者を使用する商業(卸売、小売、理美容など)、映画製作を除く映画・演劇業(映画館など)、保健衛生業(病院、社会福祉施設など)、接客娯楽業(旅館、飲食店など)の事業場(以下「特例事業場」という。)は、公衆の不便を避けるためや手待ち時間が長いなどの特殊な事情があるため特例が認められており1週の法定労働時間は44時間となっています。(第40条、労働基準施行規則第25条の2)。

2 週・日の考え方

 1週間とは就業規則等で別段の定めが無い限り日曜日から土曜日までの暦週をいい、1年間の全ての週で労働時間が40時間を超えることができないということです。

 1とは原則として午前0時から午後12時までの暦日をいい、1年間の法定休日を除くすべての日で労働時間が8時間を超えることができないということです。

 また、就業時刻の午後5時から翌日の午前2時まで時間外労働をさせた場合や午後8時から午前5時まで(休憩は午前0時から1時間)の夜間勤務のように継続勤務が2暦日にわたる場合には、暦日を異にしていますが、1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該1日の労働となります。

3 時間外労働

 就業規則等で「必要があるときは時間外労働をさせることがある。」旨の定めと時間外休日労働に関する協定を締結し、所轄労働基準監督署へ時間外労働協定届を届け出ることで140時間、18時間を超えて労働させることができます。但し、この場合割増賃金を支払う必要があります。

(労働条件管理ハンドブックより抜粋)

今回は労働時間制度についてみてみました。

1年単位の変形労働時間制など、会社ごとに採用されている労働時間について一度確認してみると良いでしょう。

総務担当者のかたは、労働時間制を採用している場合、更新が毎年必要になりますので、必ず更新するようお気をつけください。


2019/4/5
平成31年4月1日施行の制度:
働き方改革 労働時間法制の見直し(1

「働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進する(厚生労働省HPより)」ことを目的とした本改革は、戦後の労働基準法制定以来70年ぶりの大改革とされています。今回より5回に分けてまとめていきたいと思います。

I 労働時間法制の見直し

  ・残業時間の上限規制 ・・・(1)

  ・勤務間インターバル制度の導入促進・・・(2)

  ・5日間の年次有給休暇取得を企業に義務付け ・・・(2)

  ・月60時間超残業への割増賃金率引き上げ・・・(2) 

  ・労働時間の客観的把握を企業に義務付け・・・(3)

  ・フレックス制度の拡充・・・(3)

  ・高度プロフェッショナル制度の新設・・・(3)

 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

  ・不合理な待遇差の禁止・・・(4)

  ・待遇に関する説明の義務化・・・(4)

  ・行政による事業主への助言、指導、裁判外紛争手続きの規定の整備・・・(5)

※( )の数字⇒(1)は第1回、(2)は第2回・・・で掲載していきます。

 

 

I 労働時間法制の見直し  <残業時間の上限規制>について

 労働基準法では法定労働時間を18時間、週40時間としています。これを超えて働く場合は、労使で予め協定を結ばなければなりません。この協定は労基法36条に定められているため“36(さぶろく)協定”と呼ばれおり、残業時間は月45時間、年360時間が上限として設定できますが、これまでは特別な事情がある場合(生産集中、リコールなど)は、特別条項付きの労使協定を結べば年間6ヶ月までは上限なく設定できたため事実上“青天井”と言われてきました。 

こうした臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合にも4月からは上限を設け、

・年720時間以内

・2~6か月平均80時間以内(休日労働含む)

・月100時間未満(休日労働含む)

を超えることはできないこととしました。また、36協定の原則である45時間を超えることができるのも6か月までとなりました。

――――――――――――――――――――――――――――――――

⇒施行期日は2019年4月(中小企業への適用は2020年4月)、罰則付きの上限規定となりました。中小企業には労働時間、人材確保の状況、取引実態などの事情をふまえ助言・指導を配慮することとしています。

⇒上限規制には、自動車運転・医師・建設業・鹿児島沖縄砂糖製造業には5年後まで適用が猶予され、新技術・新商品開発業務は除外されます

時間外・休日労働に関する協定届の様式も変更になり、一般条項の場合と特別条項付の場合とで様式が異なる、時間外労働・休日労働を行う業務の区分を細分化し、業務の範囲を明確するなどの変更がされています。詳しくは下記厚生労働省HPをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html#h2_free4

 

次回は、勤務間インターバル制度、5日間の年次有給休暇取得を企業に義務付け、60時間超残業への割増賃金率引き上げについてまとめます。

 


2019/3/28
皆さまの疑問にお答えします!⑩

Q.4月から転職のため給与額が変わりますが、保険料はどのように変わりますか?

A.給与の変動額や時期により異なります。

☆新しい年度が始まると昇給や転職などで報酬額が変わる方も多いのではないでしょうか。

今回は報酬額の変動による社会保険料の改定について解説します☆

※標準報酬月額、またその改定については加入している保険協会、組合によって異なります。今回は協会けんぽに加入されている場合の改定について解説します。

 

社会保険料はいつ改定される?

社会保険料の改定には2種類があります。

   標準報酬月額の随時改定

   標準報酬月額の定時決定

報酬額に変動が生じることにより社会保険料が改定されるのは①の随時改定に当たります。

 

  通常、社会保険料は年に1回、7月に提出する基礎算定届により決められます。これを②の定時決定といい、46月の3ヶ月間の報酬総額から1ヶ月の平均額を求め、標準報酬月額が決定されます。

 ※標準報酬月額は都道府県毎に異なります。詳細は下記URLを参照↓

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h31/h31ryougakuhyou3gatukara

(全国健康保険協会HPより引用)


 しかし、年の途中で昇給や降給、雇用契約の変更などで報酬額が大きく変わることがあります。そのようなとき、標準報酬月額がそのままでは社会保険料額が実際に受け取る報酬に対して多すぎたり少なすぎたりすることになります。それを防ぐのが、標準報酬月額の随時改定です。

随時改定の際には、月額変更届を提出する必要があります。

ただし、報酬額が変わると必ずしも変更届を出さなければいけないわけではありません。

随時改定の対象となるにはいくつかの条件があります。

 

随時改定の条件は?

  1. 昇給又は降給等により固定的賃金(基本給や役職手当など、勤務時間や営業成績にかかわらず、一定額が支給される賃金)に変動があった場合
  2. 変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた場合
  3. 3か月とも支払基礎日数が17日以上である場合

上記の条件にすべて当てはまる場合は随時改定の対象となります。

 

随時改定に当てはまらない場合

固定的賃金に変動はなく、時間外手当や一時的な手当など非固定的賃金の変動による報酬額の増減のみで2等級以上の差が生じた場合や、固定賃金が下がっても残業手当など非固定的賃金が増加して全体の報酬が増えた、反対に固定賃金が上がっても非固定的賃金が下がって全体の報酬が減ったなどの場合は、結果的に標準報酬月額に2等級以上の差が生じても随時改定を行いません。

 

随時改定の注意点

1. 昇給や降給以外に通勤手当や家族手当など固定的に支給される各種手当の変更や、勤務形態の変更なども標準報酬月額を決定する際の対象になるため、日頃から注意しておきましょう。

2. 平成28101日より、週所定労働時間および月の所定労働日数が正社員の4分の3未満の短時間労働者でも、常時501人以上の従業員がいる特定適用事業所に勤務する者は、一定の条件を満たすことにより社会保険の加入することとなりました。これにより被保険者となった人は、支払基礎日数が11日以上で随時改定が適用されることとなっています。

 3. 標準報酬月額等級表の上限あるいは下限にあたる等級変更がある場合は、2等級以上の差が生じなくても随時改定の対象となることがあります。

 

保険料額が変わるのはいつ?

定時改定:7月に算定届を行い、9月分の給与から改定

随時改定:昇(降)給月から4か月目の給与から改定    となります。

 

まとめ

報酬額に変動があってもすぐに社会保険料が変わるわけではなく、また条件によっては保険料が改定されないこともあるという事ですね。

また報酬額の変動有無に関わらず、7月には年に一度の定期改定があり、社会保険料が決定されますので、給与明細書などで確認してみるとよいでしょう。

 


2019/3/20
労働基準法

今回は割増賃金について、計算方法などを確認していきます。

割増賃金(第37条)

1 割増賃金の支払

 労働者に法定労働時間を超える時間外労働時間又は深夜労働(午後10時から翌日午前5時までの時間帯)を行わせた場合には、通常の賃金額の25分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。また、法定の休日1週間で1日又は4週間で4日の休日)に労働させた場合には通常の賃金額の35分以上の率で計算した割増賃金を支払わなくてはなりません。

2 割増賃金の計算方法

 (1)1時間あたりの割増賃金(割増賃金単価)の算出にあたって、計算の基礎に入れるべき賃金は、通常の労働時間又は労働日に対して支払われる賃金であり、基本給のみならず諸手当が含まれますが、次の7種類の賃金は労働と直接的な関係が薄く個人的事情に基づいて支給されていることなどから割増賃金の計算基礎に参入しなくてもよいことになっています。

 

 これら7種類の賃金は、制限的に列挙されているものですから、これらの賃金に該当しないものは全て割増賃金の基礎に参入しなければなりません。

 また、これらの除外される7種類の賃金は、名称にとらわれず実質によって判断することとなっています。

 (2)1時間あたりの割増賃金(割増賃金単価)の計算式を以下に示します。

  ①時間給制の場合

   

 

  ②基本給、各手当が月給制の場合

 

 

  ③基本給、各手当が日給制の場合

 

  ④歩合給制の場合

 

(労働条件管理ハンドブックより抜粋) 

 

今回は割増賃金の概要と計算方法についてみてみました。

給与計算担当の方は、お間違いのないようお気を付けください。

また、労働者の方は、自分の給与明細で計算がどのようにされているか確認してみるとよいでしょう。



2019/3/13
平成31年4月1日から始まる制度
      国民年金保険料の産前産後期間の免除制度

今回から、来月1日から始まる制度についてまとめていきます。先ずは、自営業者やフリーランス、アルバイト等で働く人が加入する国民年金第1号被保険者が出産を行った際に、出産前後の一定期間の国民年金保険料が免除される制度についてご説明します。

 

1.国民年金保険料が免除される期間

出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間の国民年金保険料が免除されます。多胎妊娠の場合は、出産予定日又は出産日が属する月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除されます。

※出産とは、妊娠85日(4か月)以上の出産で、死産、流産、早産された方を含みます。

通常の免除期間(経済的に難しい等)は、年金を受け取るために必要な資格期間に含めることができますが、追納しないと将来の年金額は減ります。一方、産前産後の免除期間では年金額に全額反映されます

 

2.対象者

「国民年金第1号被保険者」で出産日が平成3121日以降の方

例えば、平成313月に出産される(た)場合は、施行日が平成31年4月のため、

平成31年4月1日以降に届出を提出し、4月分、5月分の保険料が免除となります。

 

3.申請方法

出産予定日の6か月前から提出可能ですが、提出は平成314月からです。

 

4.申請先

住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口。

申請書は、提出ができる平成314月から年金事務所または市(区)役所・町村役場の国民年金の窓口に備え付けます。また、平成314月以降からホームページからもプリントアウトできるようにする予定です。

 

※※※ 少子化対策の一環としての、次世代育成支援として、今回の制度は始まりました。すでに厚生年金では平成264月から免除制度が開始していました。厚生年金は、このほかにも出産手当金の支給、育児休業中の保険料免除、年金額の特例制度(3歳未満の子の養育期間中は給料が下がっても、将来の年金額は給料が下がる前の標準報酬月額で計算される)といった制度があります。国民年金は支援の手厚さはまだまだ厚生年金には及ばないようです。

 

 

(日本経済新聞32日朝刊、厚生労働省HP,日本年金機構HP

 

次回からは働き方改革について連載していきます。


2019/3/8
皆さまの疑問にお答えします!⑨

前回、外国人労働者の社会保険加入について解説しました・

では外国人労働者の配偶者などの被扶養者については、社会保険に加入することができるのでしょうか。

☆今回は外国人労働者の被扶養者に関する社会保険制度、今後の改正案について解説します☆

 

現在の規定

日本で働いている外国人の家族が協会けんぽや健康保険組合によって「被扶養家族」と認定された場合、保険に加入することができます。
「被扶養家族」として認定される主な親族としては、・ 配偶者(事実婚含む・年収130万円未満)・ 子供・親(60才以上の場合は年収180万円未満)弟妹(年収130万円未満)などがありますが、それぞれ他にも細かい収入額の要件があり、その要件に該当しなくては認めらません。

また、被扶養者となる家族の状況を公的に証明する書類を取り寄せ、日本語に翻訳して提出するなど多少のコストと労力はかかりますが、被扶養家族と認められれば海外にいる家族でも被扶養者とし、支払った医療費などを日本の健康保険から給付してもらうことができる可能性があります。

⇒①医療費だけではなく、本国に残してきた配偶者が出産する場合なども健康保険から出産一時金の給付を受けることができます。
②日本で負傷し又は病気にかかって帰国した場合なども条件に合えば、帰国後にも傷病手当金などの所得保障を受けることが可能です。

※医療費の給付について※

海外の被扶養家族が自国で日本の健康保険証を提示して医療を受けることはできません。
いったん自費で全額医療費を立て替えてから、領収書を日本の外国人被保険者に送り、本人が本人(被扶養者)負担分を差し引いた額を日本円で払い戻してもらうシステムになっています。

また、海外で受けた治療内容が、日本の健康保険法等の規定で保険給付の対象として認められている治療内容と合致しない場合は給付を受けること(払い戻しを受けること)はできません。

 

今後の改正案

 現在、外国人労働者の増加に対応するため、来年4月から原則として国内居住者に限定する方向で検討しています。

 

【健康保険法 第三条 改正案】
この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない

 

【国民年金法 第七条 改正案】
第二号被保険者の配偶者(日本国内に住所を有する者又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であって主として第二号被保険者の収入により生計を維持するもの(第二号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち二十歳以上六十歳未満のもの(以下「第三号被保険者」という。)                             (出所:厚生労働省HP

改正法案のまとめ☟

健康保険の被扶養者の認定において原則として国内に居住しているという要件を導入

・被扶養者の要件に日本に住所を有する者であることを追加する

⇒※外国人だけでなく、海外に居住する日本人の被扶養者にも適用されます。
・留学生その他の日本に住所を有しないもののうち、日本に生活の基礎があると認められるものについても、例外的に要件を満たすこととする
(※例外となる者の詳細は省令で規定されるが、留学生や海外赴任に同行する家族など、日本から海外への渡航理由に照らし、これまで日本で生活しており、今後再び日本で生活する蓋然性の高い者等を例示する予定)

国民年金第3号被保険者の要件についても、健康保険法に準じた改正を行うこと

 

上述したものはあくまで改正案であり、決定されたものではありません。

現在の規定についての詳細はお勤めの事業所や健保協会、組合へお問い合わせください。

 


2019/3/6
労働基準法

今回は最低賃金について確認していきます。

 

最低賃金制度(最低賃金法)

1 最低賃金制度

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度です(最低賃金法第4条)。

仮に最低賃金額より低い賃金を労使合意の上で定めても、それは法律により無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。(最低賃金法第4条第2項)。

 

2 適用範囲

最低賃金は、原則として事業場で働く常用・臨時・パート・アルバイトなど雇用形態や呼称の如何を問わずすべての労働者とその使用者に適用されます。

しかし、一般の労働者と労働能力などが異なるため、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭める可能性がある次の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受ける事を条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています(最低賃金法第7条)。

①精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い人

②試の試用期間中の方

③基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち省令で定める人

④軽易な業務に従事する人

⑤断続的労働に従事する人

最低賃金の減額の特例許可を受けようとする使用者は、最低賃金の減額の特例申請書(所定様式)2通作成し、所轄の労働基準監督所長を経由して都道府県労働局長に提出してください。

3 最低賃金の種類

最低賃金には、下図のように地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の2種類があります。


4 派遣労働者の適用最低賃金

派遣労働者については、派遣先の事業場に適用されている最低賃金が適用されますので、派遣先事業場に適用される最低賃金を把握しておく必要があります。(最低賃金法第13条、同法第18条)

 

5 対象賃金

最低賃金の対象となる賃金は、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られます。

具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象になります。

①臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

②1ヵ月を超える時期ごとに支払われる賃金(賞与など)

③所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)

④所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)

⑤午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)

⑥精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

6 検算方法

実際の賃金が最低賃金額以上となっているかどうか調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を次の方法で比較します。

①時間給の場合

 時間給 ≧ 最低賃金額(時間額)

②日給の場合

 日給 ÷ 1日の所定労働時間(※) ≧ 最低賃金額(時間額)

(※)日によって所定労働時間が異なる場合には、1週間における1日平均所定労働時間

③月給の場合

 賃金額を時間当たりの金額

(労働条件管理ハンドブックより抜粋)

 

今回は最低賃金について確認いたしました。

労働者の方は一度給与明細を確認してみましょう。

経営者の方は、最低賃金については毎年10月に変更がありますので、確認しておきましょう。

 

次回は、割増賃金について確認していきます。

 


2019/2/20
第4回 外国人労働者受入の基礎知識(最終回)

最終回は201941日に施行される新在留資格「特定技能」について簡潔にまとめます。

「特定技能」は、外国人労働者の受け入れを拡大することが目的であり、これまでの技能実習(日本の技能等を開発途上地域に移転する“国際協力の推進”が目的)とは位置づけが異なっているということを、初めに理解しておきたいと思います。

 

図に沿って説明します。

 

現行の技能実習制度で働けるのは最長5(図の【A】)です。3年を終えた段階で技能の検定試験に合格すれば、いったん帰国した後に、再来日して、さらに2年働くことができます。さらに2年を日本で働くかは、実習生の選択に委ねられています。

 

今回の改正で、滞在期間を最長5年延長できる「特定技能1号」(図の【B】)が始まります。受け入れは介護や建設業などの14業種とされています。上記【A技能実習で3年以上の経験がある実習生は、試験を免除されての移行が可能で、3年を終えた人達がそのまま移行することも見込んでいます(一時帰国の必要はありません)。 【A】と【B】で最長10年を日本で働くことができますが、この期間に家族を帯同しての生活は認められていません。

 

また、資格に必要な技能試験と日本語試験をパスすると「特定技能1号」の取得ができるという制度も新設されます。例えば留学生が卒業後に日本にとどまって、技能試験を実施する業種で合格すると取得することもできます。ただこの試験を来年4月に実施するのは3業種のみで、他の11業種は、当分技能実習生からの在留資格変更が中心となる見込みです。

 

熟練した技能が必要な2号」を活用するのは建設と造船、舶用工業の2業種です。今後業種が増えるかは業界のニーズを踏まえて、所管省庁が判断すると法務省は説明しています。2号を取得すると家族の帯同が可能ですが、資格を得るのに必要な新設の技能試験は2021年度に実施予定で当面対象者は出ない見通しです。

 

こうして整理してみますと、準備、整備が遅れていること、詳細が不確定な部分も多くありますが、情報の取得には十分留意して、皆さまに必要なことを適時お伝えしていこうと思います。

(朝日新聞2月朝刊の各記事より抜粋)


2019/2/15
皆さまの疑問にお答えします!⑧

Q.外国人労働者は社会保険に加入することはできますか?

A.
働いている事業所が社会保険の適用事業所であれば、事業主は加入させる義務があります。

☆今回は外国人労働者の社会保険の加入について解説します☆ 

外国人はそれぞれ与えられた在留資格の範囲内における就労活動が認められています。 
外国人を雇用するために在留資格を申請する際には、取得しようとする在留資格の要件と日本において従事させようとする業務内容に整合性がなければなりません。

従って在留資格の申請を行う際には、日本においてどのような条件で、どのような業務内容に従事させるかを明記した文書申請書類として入国管理局に提出しなくてはなりません。

在留資格を取得して日本において就労を開始する際には社会保険への加入が必要となります。 

社会保険への加入義務
  日本の社会保険には〈健康保険〉〈厚生年金〉〈介護保険〉の3種類があります。

厚生年金、健康保険への加入が義務付けられている法人や個人事業主を「強制適用事業所」といいます。

厚生年金と健康保険は、国籍を問いませんので「強制適用事業所」で常時雇用される従業員は加入義務があります。

外国人従業員が「加入したくないから加入しません」などや、雇用主が「外国人だから社会保険は必要ないだろう」と決めることはできません。外国人の雇用形態が正社員ではなく、パートやアルバイトだったとしても日本人労働者と同じく、労働時間や労働日数などで被保険者となる可能性があります。 

保険未加入の場合のリスク
  一部を除き、ほとんどの在留資格は一定の期間を定め日本に在留できる許可を与えられているためその期間を経過する前に在留期間の更新手続きを行う必要があります。

また、現在有している在留資格から他の在留資格への変更をしたいと思う外国人もいるかもしれません。そのような時にも在留資格変更の申請を入国管理局に行うことになります。入国管理局は在留資格の変更及び更新の申請に対する審査はガイドラインに沿って行われます。

国が外国人の社会保険への加入促進を図っていることもあり、申請時に窓口で保険証の提示を求められることもあります。窓口で保険証の提示が出来なかったからといって、申請が不許可となることはありませんが、保険加入をしているか、また保険料をきちんと納めているかについては審査における重要な事項であることは間違いないでしょう。

保険に加入する義務があるにも関わらず加入していない、もしくは保険料の未納があるなどの要素は審査におけるマイナス要素となるだけではなく、法令違反でもあります。法令違反を犯すことも在留資格の更新等に大きな影響を及ぼします。

これらの責任は外国人本人だけの問題ではなく、外国人を雇用する事業所自体の責任も問われてきます。所轄官庁からの勧告を受けると事業所自体の社会的信頼もなくすおそれがありますので、注意が必要です。 

 健康保険と介護保険について
 普段の生活の中で怪我や病気等になった場合は、病院にかかることがあるでしょう。業務外での怪我や病気等により病院にかかった場合の医療費の一部を負担してくれるのが健康保険です。

前述のとおり、外国人が強制適用事業所に勤務している場合、事業所が加入している健康保険組合が運営する健康保険に加入します。健康保険に加入できない場合は国民健康保険に加入しなくてはなりません。

いずれにしても、加入していないと医療機関にかかった場合、高額な医療費の支払いをしなくてはならなかったり、医療機関にかかれず病状を悪化させたりすることにもなりかねませんので、きちんと加入しましょう。

介護保険制度が2000年に施行され、介護保険への加入は日本国民の義務となりました。高齢者の介護を社会全体で支えていくことを目的とした保険制度です。外国人は日本国民ではないので、介護保険への加入義務はないかと言いますとそうではありません。

3ヶ月を超えて日本に在留する40歳以上の外国人は介護保険に加入する義務があります。これにより日本に在留中に介護が必要となった外国人は、日本人と同様の介護サービスを受けることが出来るようになります。
 

厚生年金保険について

「日本の年金制度は2階建てになっている」といわれるように、1階部分が基礎年金と言われる国民年金、2階部分は会社員や公務員が加入する厚生年金です。

厚生年金は「老齢給付」「障害給付」「遺族給付」があり、老後に備えるだけではなく、日本で亡くなってしまった場合に、遺族に「遺族厚生年金」が支給されたり、厚生年金に加入している間に病気や怪我で障がいが残ってしまったような場合に「障害厚生年金」が支給されたりする制度です。

日本で働く外国人は本人の意思に関係なく、厚生年金に加入しなくてはいけません。それにより、万が一外国人が日本で死亡したり、障害が残るような病気や怪我をしたりした場合、本国の遺族に年金が支払われたり、外国人本人に年金が支払われたりすることになります。
 
今回は外国人を雇用した際の社会保険について解説しました。

従業員を雇用する場合、外国人だからと言って日本の社会保険制度が適用されないわけではありません。しかし、一方で社会保険制度の仕組みが複雑で分かりにくい側面もあるかもしれません。

外国人を雇用する際には事業主自身が判断せず、関係機関に確認のうえ、各種手続きをきちんと行うように注意しましょう。
 
では外国人労働者の家族や親族は被扶養者として保険に加入することができるのでしょうか?
 現在、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて健康保険法の改正案が出ています。

 

☆次回は外国人労働者の扶養親族の社会保険制度と今後の改定案について解説します☆


2019/2/6
労働基準法

今回は賃金の基本的な考え方について確認していきます。

賃金の支払5原則(第24条)

1 賃金は、労働者にとって重要な生活の糧であり、確実な支払が確保されなければなりません。
このため、使用者は、①通貨で、②直接労働者に、③全額を、④毎月1回以上、⑤期日を定めて支払わなければなりません。

2 使用者が労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について当該労働者が指定する銀行その他の金融機関又は証券会社に対する当該労働者の預金、貯金又は証券総合口座への振込によることができます。(労働基準法施行規則第7条の2)。

3 使用者が賃金の一部を控除できるのは、税金、社会保険料等のように法令に別段の定めがある場合、又は過半数労働組合、過半数労働組合が無いときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合のみです。

なお、減給の制裁を行う場合には、一定の範囲内で行わなければなりません。(※)

(※)減給制裁の範囲について
1回の事案に対する減給の総額は、その労働者の平均賃金の1日分の半額以内であること
1賃金支払期に発生した複数事案に対する減給の総額は、その賃金支払期間中にその労働者に対し現実に支払われた賃金総額の10分の1以内であること
 
金品の返還(第23条)
 労働者が死亡したり、退職(解雇も含む)した場合、相続人や本人から請求があった時は、支払日以前であっても7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません。
 なお、支払日を定めている退職金については適用がありません。
 
保障給(第27条)
 出来高払制その他の請負制で使用される労働者については、労働者が就業した以上は、たとえその出来高が少ない場合でも、労働した時間に応じて一定額の保障を行わなければなりません。
 保障給の額について定めはありませんが、休業手当に準じて、少なくとも平均賃金の100分の60程度を保障することが妥当とされています。
 
非常時払(第25条)
 労働者が労働者本人及びその収入によって生計を維持する者の出産、疾病、災害その他省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払日前であっても既に労務の提供があった期間についての賃金を支払わなければなりません。
 その他省令で定める非常の場合として、労働者又はその収入によって生計を維持する者が結婚し、又は死亡した場合とやむを得ない事由により1週間以上にわたって帰郷する場合があります。(労基則第9条)。
 
退職金、社内預金の確実な支払等(賃金の支払の確保等に関する法律第3条、第5条)
 退職金は労働者の退職後の生活に重要な意味を持つものであり、また、社内預金は労働者の貴重な貯蓄であり、万一、企業が倒産した場合であっても、労働者にその支払いや返還が確実になされなければなりません。このため、退職金制度を設けている場合は、保全措置を講ずるように努めなければなりません。(賃金の支払の確保等に関する法律第5条)。また、社内預金制度を行う場合には、確実な支払い等のための保全措置を講じなければなりません(同第3条)。
 
休業手当の支払(第26条)
 一時帰休など企業側の都合(使用者の責に帰すべき事由)により所定労働日に労働者を休業させた場合には、休業させた日について少なくとも平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければなりません。
 

(労働条件管理ハンドブックより抜粋)

 
今回は賃金の基本的な考え方(支払方法、頻度)のほか会社都合の休業手当の支払について確認しました。

次回は、近年毎年上昇している、最低賃金制度について確認していきます。


2019/1/30
3回 外国人労働者受入の基礎知識

今回は時代を少し遡って、外国人雇用の制度が国内でどのように構築されてきたかを整理します。

 

【1】 1980年代末のバブル期

通商産業省編「21世紀産業社会の基本構想」では「長期的にみれば日本では単純労働力は余る。また、経済協力の面からすれば、海外投資こそ雇用創出効果がある」と述べています。また「人手不足は業界の体質改善の絶好のチャンス」とも言われており、必ずしも受入に積極的ではありませんでした。

 

しかしながら、国際化時代への移行、産業界からの強い圧力(円高不況から内需拡大による好況期に入り、人手不足ゆえの外国人雇用の要望も強まりました)と違法就労の実態が先行した結果、「条件付き受け入れ」へと方針が変更されました。

~外国人就業者
    1993年    96,528人(第1回外国人雇用状況報告(平成5年労働省)

    2018年   1,460,463人(平成31年1月厚生労働省)

 

1989年第1回「海外青年技能研修」受け入れ

労働省は発展途上国の若者を「海外青年技能研修」としてODA事業の一環として、途上国の若者の能力開発や技術力の供与を目的に実施しました。

 

【2】 199061日に在留資格を再編した改正法が施行(法務省)

  日本に入国、在留できる外国人の在留資格を18→28種類とし、内容を整理

「定住者」の在留資格が創設され、日系人の場合、あるいは祖父母のどちらかが日本人であることを証明する書類等により「定住者」として就労等に制限はないと明文化されました。南米の猛インフレ、高失業もあり、万単位の日系人が出稼ぎに入国しました。

   在留資格の要件、提出書類、など具体的に省令や告示で定め、手続きを円滑化

これまでの在留資格は、在留資格記号により表示され、一般にはわかりにくかったのですが、別表での一覧方式となり、かつ、その表示も「人文知識・国際業務」「短期滞在」「日本人の配偶者等」などの具体名となりました。

   不法就労外国人に関して不法就労助長罪を設けた。→雇用者の処罰規定

雇い主からすれば、人手不足のなかで彼らを雇わなければ経営上成り立たないとの主張になりますが、一方では日本人を高条件で求め苦労する企業もあり、自由経済体制にとって公正競争を保つことは重要な要素で、不公正を見過ごすことは大いに問題とされました。

  

【3】 1993年外国人の「技能実習制度」創設(労働省)

現場で働きながら実践的な技能を習得できることを目的としており、研修、技術実習生は、当初は比較的厳格に運用され、技術協力としても一定の成果を挙げていましたが、低賃金労働力としての利用や、失踪、賃金未払いがおきはじめました。

雇用関係になく、しかし技術、技能を習得するには実務が必要で、この実務が実質、人手不足を解消しうる期待にもなっているため、受け入れ団体の姿勢いかんで研修の成否が異なってしまいます。研修は労働ではないため、労働保険の適用がないことも問題とされました。

 2012年外国人登録制度の廃止と新たな在留管理制度の導入(法務省)

1952年施行の法律による日本に在留する外国人登録制度(居住・身分関係を明確にし,公正な管理をする)は2012年廃止され、新たな管理制度として中長期在留者には「在留カード」、特別永住者には「特別永住者証明カード」が交付されました。また、住民基本台帳法の改正により、中長期在留者(在留カード交付対象者)等に対して住民票が交付されることとなりました。

その後も、介護福祉士の資格を有する外国人が介護業務に従事するため資格が2016年に設けられるなどの改正を経て、今回の改正入管法施行へとなります。次回(最終回)はこの法律による新在留資格についてまとめます。

 参考文献:外国人労働者(日本経済新聞社)、外国人労働者受け入れは日本をダメにする (洋泉社) 

入国管理局、内閣府、厚生労働省HP



2019/1/24
皆さまの疑問にお答えします!⑦

Q.パートの掛け持ちをしようと思っています。税金や保険などはどうなりますか?

A.税金については「確定申告」、保険については「加入条件」に注意しましょう。

☆今回はダブルワークをする際の税金と保険の注意点について解説します☆

 

簡単にまとめると下記のようになります。

税金
(所得税・住民税)

従たる給与先(一般に副業先)では所得税が乙欄課税(源泉徴収)されます。最終的には主たる給与先の収入と合わせて確定申告が必要になります。
住民税は主たる給与から翌年特別徴収されるのが一般的です。

社会保険
(健保+年金)

社会保険の加入要件を満たせば両方で加入することになります。
社会保険の加入要件を満たさない場合は加入しません。保険料や給与などの扱いは1社勤務の場合と同様です。

保険証は1枚だけ(片方の事業所でのみ)の発行となります。

保険証の交付事業所は本人が選択する事ができます。

雇用保険

雇用保険に関しては1か所でしか加入できません。生計を維持するに必要な 主たる賃金を受ける一つの事業主において雇用保険に加入することになります。

これをさらに詳しく見ていきましょう。 

所得税

従たる給料からは所得税がやや高めの税率で源泉徴収されます(乙欄課税)。最終的には主たる勤務先からの源泉徴収票とダブルワーク先の源泉徴収票を使って最寄りの税務署で確定申告をして税額を最終決定し還付金を受けられます。

住民税

住民税の申告は税務署で確定申告を行った場合は不要です。

ダブルワークのように主たる給与を受け取っている先がある場合は、前年分の所得に対する住民税が原則主たる給与先の給料から特別徴収(源泉徴収)されます。なお、申告時に普通徴収を希望すれば、副業分の住民税は個人の住所に請求が行くことになります。

社会保険

まず、社会保険に対しては正社員の3/4以上の勤務時間、勤務日数を働いている人が加入対象となります。

201610月以降は従業員501名以上の会社においては下記の条件となっています。

1)週の労働時間が20時間以上
2)賃金月額が月8.8万円(年106万円以上)
3)1年以上の使用されることが見込まれる

以上の条件を満たす場合は社会保険に加入、満たさない場合は加入となりません。

メインのみで満たしている

メインのみの社会保険に加入します。保険料や給付はダブルワークをしても変わりありません。

両方で満たしている

両方の会社で社会保険の加入条件を満たしている場合、標準報酬月額を両社の合計金額で計算したうえで、両方の会社で保険料を按分することになります。

両方とも満たしていない

社会保険には加入できず、国民健康保険と国民年金に加入することになります。両方の会社の合計なら加入条件を満たしたとしても社会保険には加入できません。

労働保険(雇用保険、労災保険)

まず、労災保険については全員加入かつ労働者の負担はありませんので、メイン先、アルバイト先でも加入することになります。一方の雇用保険については1か所でしか加入できない決まりになっています。

雇用保険の加入資格、要件は下記のとおりです。

1)一週間の所定労働時間が20時間以上
2)31日以上継続して雇用される見込みである
3)雇用保険の適用事業所に雇用されている

以上の加入要件を踏まえた上でダブルワークをする場合

メインのみで満たしている

メインの勤務先で雇用保険に加入することになります。

両方で満たしている

生計を維持するに必要な 主たる賃金を受ける一つの事業主において雇用保険に加入することになります。

両方とも満たしていない

 雇用保険には加入できません。

労働保険は社会保険と異なり、一カ所の事業所でのみの加入となりますので注意しましょう。

☆ダブルワークをする際の注意点☆

ダブルワークは金銭面の充実やキャリアアップなどメリットもありますが、会社によっては副業が禁止されている場合もあり、解雇となるようなケースもありえます。

ダブルワークを希望する際は、職場の担当者に必ず相談し就業の規定を良く確認しましょう。


2019/1/19
労働基準法

今回は退職時の証明書類、事由について確認していきます。

 

退職時の証明(第22条第1項、第2項、第3項)

1 証明書の交付

 労働者が退職の際に、使用期間、業務の種類、地位、賃金又は退職の事由について証明書を請求した場合は、使用者は遅滞なく交付しなければなりません(第22条第1項)

 

 労働基準法第20条第1項に定める、解雇予告を受けた労働者は、解雇の予告をされた日から退職の日までの間においても、解雇の理由についての証明書を請求することができます(第22条第2項)

この規定は、労基法第20条第1項本文に定めるところにしたがって、解雇について予告がされた場合に限ります。

 

2 退職の事由

 「退職の事由」とは、自己都合退職、勧奨退職、解雇、定年退職等、労働者が身分を失った事由のことです。解雇の場合は、その理由も「退職の事由」に含まれます。

 解雇の理由については、具体的に示す必要があり、就業規則の一定条項に該当することを理由として解雇した場合には、就業規則の当該条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を証明書に記入してください。

 なお、この証明書には労働者の請求しない事項を記入してはなりません。(第22条第3項)

 

(労働条件管理ハンドブックより抜粋)

  

今回は退職時の証明、事由について確認しました。

労働者が退職する場合、様々な理由があります。自己都合退職、会社都合退職、または解雇。

失業保険【正式名称:求職者給付の基本手当】の受給時期等にも関わってきますので、しっかりと経営側、労働者側で合意した上で、退職後に不整合がないようお互いに努めていきたいですね。



2019/1/9
2回 外国人労働者受入の基礎知識

今回は外国人を雇用する場合の手続きについてまとめます。

 

【1】         募集、採用時

求人募集は、“外国人のみ対象、外国人は応募できない”という求人を出すことはできません。また、公正採用選考及び人権上の配慮から、面接時に「国籍」等の質問は行わないこととされています。在留資格等の確認は口頭で行い、採用が決まり次第、在留カード等の提示を求めるようにします。

 

【2】         雇入れ、離職時

外国人であっても労働保険、社会保険は適用されます。

<ハローワークへの届出>

    雇用対策法(平成19年)により、事業主は新たに外国人を雇入れた場合や離職した場合には、その外国人の氏名や在留資格、在留期間等をハローワークに届出なければなりません。(氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無、雇入または離職に関わる事象所の名称、所在地等)

 

該当する外国人が

⇒雇用保険の被保険者の場合

          「雇用保険被保険者資格取得届(喪失届)」を
          雇入れの場合は翌月
          離職の場合は翌日から起算して10日以内

雇用保険の被保険者とならない場合

          「外国人雇用状況届出書」を
          雇入れ、離職の場合とも翌月の末日までに届出

      を行います。

届出を行わなかった場合は、指導、勧告の対象になるとともに、

30万円以下の罰金の対象となります。

 

短期のアルバイトでも届出が必要ですが、

雇入れ日と離職日の双方を記入して、まとめて届出を行うことが可能です。

 

<年金事務所への届出>

外国人であっても日本国内の事業所で働く限りは、加入の意思を問わず、社会保険加入の手続きを行う義務があります。
 
厚生年金の被保険者となる場合は、年金記録を適正に管理することを目的として、厚生年金保険被保険者資格取得届の提出とともに「ローマ字氏名届」も提出しなければなりません。

在留カード、特別永住者証明書、住民票に記載されているローマ字を使用します。 

※年金は掛け捨てのように捉えられ、加入を拒まれることがあるかもしれません。

厚生年金は老齢厚生年金だけでなく脱退一時金、障害厚生年金、遺族厚生年金が出ることも説明して、加入してもらわなければなりません。

       ⇒日本は主要諸外国と年金に関する社会保障協定を締結しており、その場合は外国人労働者が日本滞在5年以内であれば協定相手国の保障制度を選択することができます。

ただし、あくまでも協定相手国の事業所からの派遣の場合に限られ、日本での現地採用の場合は日本の社会保障制度が適用されます。

⇒また、短期在留外国人が年金を受けることができない場合の措置として、脱退一時金制度も設けられています。

 

【3】         外国人の雇用管理を適切に行うこと

「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(雇用対策法に基づき平成19101日施行)では、

事業主が遵守すべき法令や、努めるべき雇用管理の内容などを定めています。 この指針に沿って、職場環境の改善や再就職の支援に取り組む必要があります。

 

【4】         外国人の納税義務について

所得税法は、国籍に関係なく、国内における住所の有無や、1年以上の居所の有無により「居住者」「非居住者」でわけています

継続して一年以上日本国内に居住して働く外国人は、日本人と同様に源泉徴収税額表により源泉徴収を行い、それ以外の非居住者は、原則として、20.42%の税率で源泉徴収をします。

 

以上、外国人の雇用する際の手続きについてまとめました。次回は時代を少し遡って、どのように外国人雇用の制度が構築されてきたかを整理し、今回の出入国管理法の改正案につなげていきたいと思います。

 

(出所:厚生労働省HP、社会保険の手続きをするならこの一冊(自由国民社))

    外国人労働者(日本経済新聞社)

 

※ご案内※ 

ご相談は下記の外国人センターをご利用ください。

       東京外国人雇用サービスセンター

外国人留学生の方や専門的・技術的分野の在留資格を所持して

仕事を探している外国人の方を支援する国(厚生労働省)の機関です。 

                1630721

                   東京都新宿区西新宿271   小田急第一生命ビル21

                    TEL0353398625       FAX0353398654 

          ★新宿外国人雇用支援・指導センター

日本人の配偶者等、定住者、永住者などの就労に特段の制限のない
            在留資格をお持ちの外国人の方、

            またはアルバイトを希望する外国人留学生の方     

 1608489

                   東京都新宿区歌舞伎町24210
                   ハローワーク新宿(歌舞伎町庁舎)1

                    TEL0332048609       FAX0332048619              



2018/12/26
皆さまの疑問にお答えします!⑥

Q.会社を退職することになりました。どのような手続きが必要ですか?

A.退職する際に必要な手続きは大きく①健康保険、年金の切り替え、②失業給付の申請、③住民税の納付方法の変更 の3つがあります。

☆今回は会社を退職した際の健康保険、年金の切り替えについて解説します☆

 

会社で社会保険に加入していた人が退職した場合、保険の切り替えについては3つの選択肢があります。

   現在加入している社会保険の任意継続加入者(※)となる

   社会保険に加入している家族や配偶者の扶養に入る

   国民健康保険、国民年金にきりかえる

(※)任意継続加入とは:会社を辞めても引き続き個人で加入できる制度。一定の要件を満たす個人が任意で加入するものであり、届出・保険料の納付などの義務を加入者自ら負うことになっています。

(詳細については、お住まいの都道府県の協会けんぽ・各健康保険組合にお問い合わせしてみましょう。)

 

   を選択した場合、お住まいの都道府県の協会けんぽ・各健康保険組合にて「任意継続保険加入の手続き」が必要です。(郵送での手続きも可能です。)

※任意継続はあくまで健康保険なので、年金については国民年金への加入が必要です。

   を選択する場合にはいくつかの条件を満たしている必要があります。

 ・60歳未満の場合、将来の年収見込みが130万円以下

 ・被保険者と同居している場合は、将来の年収見込みが被保険者の収入の半分より少ないこと

 ・被保険者と別居の場合は、将来の収入見込みが被保険者からの仕送り額より少ないこと

※ただし、失業給付を受給している場合は日額によっては扶養に入ることはできません。

   を選択した場合、退職日の翌日から14日以内に役所で国民健康保険、国民年金の加入手続きを行います。手続きには退職日を確認できる書類が必要ですので、担当窓口に必要書類を確認しておくとよいでしょう。

 

※退職後、失業期間がなく転職する場合は、新たに転職先で社会保険への加入手続きを行ってくれますので、上記①~③への切り替えは必要ありません。

退職した際の社会保険料について ************************

社会保険では退職日の翌日が資格喪失日です。資格喪失日を含む月は、健康保険料がかかりません。

つまり、月末に退職した場合は資格喪失日が翌月1日なので、退職月の健康保険料がかかります。

退職日が月の途中であれば、退職月の健康保険料はかかりません。例えば、退職日が8/20だと資格喪失日は8/21のため、資格喪失日を含む8月分の健康保険料は発生しません。つまり、月の途中で退職した場合の健康保険料は前月分までとなります。

会社によっては前月分の健康保険料を今月分の給与から控除していることが多いので、退職時の給与からも健康保険料が差し引かれていることがあります。保険料に不明点がある場合は、差し引かれている健康保険料がいつの分なのかを会社に確認してみることも大切です。

しかし、資格取得日(一般的には入社日)と資格喪失日が同じ月の場合は、この月の健康保険料は発生します。これは「同月得喪」といって、意図的に入社と退職を繰り返すことで資格喪失による健康保険料の支払い回避を防ぐための仕組みです。

******************************************

国民健康保険は市区町村の窓口、任意継続は加入している健康保険の事務局にそれぞれ問い合わせれば、本人確認のうえ退職後の健康保険料を知ることができます。どちらが安くなるかは個人の状況によって異なるうえに、それぞれ手続きの期限がありますので、退職前に健康保険の選択肢を知っておくことは大切です。

手続きに漏れがないよう事前に準備しておきましょう・



2018/12/19
労働基準法

今回は解雇の禁止事例、実際の解雇手続きについて確認していきます。
 
解雇の禁止(第19条など)
以下に該当する解雇は、法律上禁止されています。

①業務上の傷病による療養のための休業期間及びその後30日間の解雇
(労働基準法第19条)

②産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法第19条)
③国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(労働基準法第3条)
④労働者が労働基準監督署へ申告したことを理由とする解雇(労働基準法第104条)
⑤労働組合の組合員であること、労働組合の正当な行為をしたこと等を理由とする解雇
(労働組合法第7条)

⑥性別を理由とした解雇(男女雇用機会均等法第6条)
⑦女性労働者が婚姻、妊娠、出産したこと、産前産後休業等をしたことを理由とする解雇(男女雇用機会均等法第9条)
⑧育児休業等の申出をしたこと、又は育児休業等をしたことを理由とする解雇
(育児・介護休業法第10条、第16条の410、第18条の2、第20条の2、第23条の2
⑨介護休業等の申出をしたこと、又は介護休業等をしたことを理由とする解雇
(育児・介護休業法第16条、第16条の710、第18条の2、第20条の2、第23条の2
 
解雇の手続(第20条、第21条など)
1 解雇の手続
 やむを得ず解雇を行う場合には、解雇しようとする労働者に対して、
少なくとも30日前に予告
予告を行わない場合には平均賃金の30日以上の解雇予告手当の支払
 のいずれかの手続きをしなければなりません(労働基準法第20条)

  解雇予告は後の紛争を避けるために文書で行うと良いでしょう。
  なお、予告期間が30日未満の場合は、不足する日数分の解雇予告手当を支払う必要があります。

2 解雇予告除外認定
 ただし、前記1の手続きの例外として
①天災地変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能になった場合
②労働者の責めに帰すべき事由
 に基づいて即時に解雇する場合は、事前にその事由について所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定申請書(様式第2号、様式第3号)を提出して認定を受ける必要があります。このような場合にはあらかじめ所轄労働基準監督署にご相談ください。

 なお、このような場合でも前記1の手続きをとる場合は、解雇予告除外認定申請手続きは必要ありません。

3 手続きを行わずに解雇することができる者
  次の解雇の場合は、前記1、2の手続きをとる必要がありません(労働基準法第21条)
①日々雇い入れられる者。ただし、1ヶ月を超えて引き続き使用されるようになった場合は前記1の手続きをとってください。
②2ヶ月以内の期間を定めて使用される者。ただし、所定の期間を超えて引き続き使用されるようになった場合は前記1の手続きをとってください。
③季節的業務に4カ月以内の期間を定めて使用される者。ただし、所定の期間を超えて引き続き使用されるようになった場合は前記1の手続きをとってください。
④試の使用期間中の者。ただし、14日を超えて引き続き使用されるようになった場合は前記1の手続きをとってください。

4 その他の留意事項
①どのような場合に解雇するかなどについては、労働条件の重要な事項です。このため、解雇・定年制等の退職に関する事項については、就業規則に定めておかねばなりません。
 また、就業規則は労働者に周知しなければなりません(労働基準法第106条)

②労働者が離職した場合には、事業主は公共職業安定所の長に資格喪失届に離職証明書を添付して提出しなければなりません(雇用保険法施行規則第7条)

③1ヶ月以内の期間に、30人以上の離職者が生ずる場合には、公共職業安定所長に大量雇用変動の届け出をしなければなりません。(雇用対策法第27条)